こんにちは〜。
大田区の蒲田駅前歯科・矯正歯科の歯科医師の今村英です*\(^o^)/*
今回は口腔機能低下症についてお話ししたいと思います。
口腔機能低下症とは?
加齢によりお口の中の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が少しずつ低下していく疾患です。
原因は?
症状もさまざまなので、原因もいろいろ考えられます。まず1番の原因は「加齢」です。年を重ねると、口腔機能も低下していきます。虫歯や歯周病で歯を失ったり、入れ歯が合わなくなったりといったことも原因に含まれてきます。また、日頃の歯磨きのケアが行き届かないと、口の中の環境が悪くなっていきます。全身のさまざまな病気によっても、口の中の機能は低下しやすくなります。ほかにも病気のために投与された薬の副作用も関係していきます。
つまり、口の中の機能低下はさまざまな要因が影響してくるので、全体の健康管理と口の中の機能の管理はとても大切になります。
症状は?
・硬いものが食べにくくなった。
・お水や汁物を飲むときにむせやすくなった。
・口の中が乾くようになった。
・薬を飲みにくくなった。
・滑舌が悪くなった。
・食べ物をこぼすようになった。
・食事の時間が長くなった。
・口の中に食べ物が残るようになった。
なにか当てはまるものはありましたか?
当てはまるものがあればまずは検査が必要です。
検査方法は?
歯科医院では7つの検査を行っていきます。
①舌チェック(口腔衛生状態不良)
→「舌苔」とよばれる、舌についている舌の表面のはがれた垢の量を測ります。
②乾燥度チェック(口腔乾燥)
→舌に機械をあてて、お口の中の乾燥度を確認します。
またガーゼを噛んでもらって唾液の量を測ったりします。
③咬合力低下
→フィルムを噛んでもらって咬む力を確認します。
④舌口唇運動機能低下
→「パ」「タ」「カ」をそれぞれできるだけ、速く5秒間繰り返し発音してもらい、舌と唇の運動機能を確認します。
⑤低舌圧
→お口の中にバルーンを入れて上顎に舌の力で押してもらい、舌の力がどれぐらいあるのか確認していきます。
⑥咀嚼機能低下
→グミを噛んでもらい、どれぐらい噛んでいるのか確認していきます。
⑦嚥下機能低下
→飲み込みに関してのアンケートに答えてもらいます。
これら7つの検査のうち3つ以上に問題があれば、口腔機能が低下しているという診断になります。
対策
①口腔衛生状態
⇒まず、セルフケアをしっかり行いましょう。
歯ブラシの回数や仕方、また舌も舌ブラシなどを用いて、お口の中をきれいにしていくのが大切です。
②口腔乾燥
⇒お口をよく動かしたり水分摂取やうがいを行いましょう。
唾液が出るように、唾液腺の部分(頬っぺたや顎の下)のマッサージも効果的です。お口の保湿剤もあるので使ってみるのもよいです。
服用している薬の副作用でも口腔乾燥が起こることがあるので、主治医や薬剤師に確認してみましょう。
③咬合力
⇒入れ歯や虫歯、歯周病の治療を行い、噛み合わせをしっかり治しましょう。咬む力が低下すると食への楽しみも低下してしまうため、咀嚼筋の訓練も必要になります。また、柔らかいものだけではなく歯ごたえがあるものを食べて咬む筋力を鍛えていきましょう。
④舌口唇運動機能
⇒早口言葉で滑舌の練習をしたり、家族や友人とおしゃべりする機会を増やして、舌や唇を動かしていきましょう。また唇や頬の力を鍛えるために、吹き戻し笛などを使っていくのも良いでしょう。
⑤舌圧
⇒舌の筋力を鍛えるための器具を使ったり、舌を動かして顔の運動をしていきましょう。
⑥咀嚼機能
⇒入れ歯や虫歯、歯周病の治療を受け咀嚼機能を治していきましょう。1口に20〜30回噛むなどの食べ方や食事形態を調整していきましょう。
⑦嚥下機能
⇒飲み込みの検査を受けたり、飲み込みの力や呼吸の力を鍛えていきましょう。
最後に
口腔機能低下症は、早期に発見し、適切な処置をすることで、重症化を予防できます。
毎日の食事を楽しくし、元気に過ごせるよう、まずは検査を行って、患者様ひとりひとりのケアをしていきたいと思っております。
何か気になることがあれば、いつでもご相談ください。
蒲田駅前歯科・矯正歯科 今村